<コラム> 香りと心の関係
香りと心の密な関係。癒しのリラックスタイムで一日を締めくくる。
良い香りによって気分が前向きになって、お肌の調子も良くなるとしたら……試さないなんてもったいないですよね。飲んだり塗ったりしなくても、香りはさまざまな恩恵を私たちに与えてくれるのだとか。
心と肌の調子を上げていく
今でこそ香りの良い化粧品やボディケアアイテムは数多くありますが、過去には「化粧品は無臭や良い」とされていた時期もありました。その理由は「香り=人工の香料を使用した商品で、肌に悪影響」というイメージが先行していたからではないでしょうか。
現在では研究が進み、「“香り”は気持ち、さらにはお肌にも良い影響を与えてくれる」という可能性が注目されています。特に天然のアロマは人工的に作られた香りよりも、心に作用しやすいのだとか。こういった情報が少しずつ浸透し、「香りを日々の暮らしに取り入れて活かしていく」というライフスタイルも確立してきているようです。
思い出がふっと蘇る…香りと記憶の関係
香りの刺激が脳に伝わるまでの時間は0.2秒以下と言われており、目や耳から入ってくる情報よりも先に脳に届きます。「鼻腔から入って大脳辺縁系を通り、記憶を司る海馬へと到達する」というのが大まかな流れ。過去に嗅いだことがある香りに再会したとき、当時の記憶が鮮明に蘇ることがあるのは、海馬の働きゆえでしょう。
また、「一瞬で心をシフト(チェンジ)できる」とも言われおり、過去だけでなく現在の感情にも大きな影響を与えてくれるのも香りの特徴。一方で「嗅覚を失うと鬱になりやすい」と言われるほど、香りが心に与える影響は大きいのです。
気分を変えたいときに香りを活用する
心地よくリラックスしたいときは、副交感神経が優位になるような香りを選びます。反対に、朝出かける前や「これから頑張るぞ」というときは、交感神経が優位になる香りを選ぶのがいいですよ。香りの作用を日常生活に取り入れることは決して難しいことではなく、たったこれだけで大丈夫。心の状況をチェンジさせたいときに、上手に活用してみてください。
リラックスしたいときの香りの選び方
“リラックス”と聞いてどんなことを思い浮かべますか?「寝る前にゆったりすること」「お風呂でのんびりすること」「高ぶった気持ちをなだめること」「上がったテンションを抑えること」でしょうか。状況によってリラックスできる香りは異なります。落ち込んでいるときは元気になれる香りの方がリラックスできますし、怒りなどで興奮状態にあるときは落ち着かせる香りの方がリラックスできますよ。あらゆる状況で心と体のバランスをとり、良い方向に導いてくれるのがアロマなのです。
素直になって心の声を聞く
好きな香りは人それぞれベースがあるかと思いますが、日によって「今日はオレンジの気分」「今日はレモンがいい」ということはありませんか?「これ!」と思った香りを身につけたり、かいだりすることは、嗅覚で感じた本能に従うということ。自分の気持ちに素直になってあげることが、心にもお肌にも良い影響を与えてくれることでしょう。
クレンジングも香りでもっと心地よく
Narseryを開発した頃、アロマオイルの香りを取り入れた化粧品はほとんどありませんでした。私も一般的なクレンジングを使っていたのですが、帰宅してお化粧を落とすとき、よくある“化粧品臭”が嫌だったんです。「メイクオフって正直面倒だけど、これが気持ち良くできたらいいのにな」と思ったことが、Narseryのクレンジングアイテムを作るきっかけです。多くの方にとって馴染みがあって人気の柑橘系を中心に、いろいろな香りのクレンジングジェルを企画・開発してきました。
クレンジングの第一の目的はメイクを落とすことですが、Narseryは香りによってお肌の調子を整えてくことも視野に入れています。いい香りをかぐことで、コラーゲンの産生UPの可能性があることが研究で明らかになってきているんです。“コラーゲンに必要なもの”(細胞内の物質)が、香りの刺激によって合成されるイメージですね。産生されやすい香りについては、別のコラムでご紹介します。お楽しみに!
取材協力/株式会社ヒューマンリソースコミュニケーションズ 代表取締役 春日郁代 氏